消滅時効が変わります(3)

2018年10月20日(土)

新設された消滅時効5年ルール

 

前回の続きです。

消滅時効が変わります(2)

「債権者が権利を行使することができることを知った時」から5年行使しないと時効になります。

 

この「知った時」の要件は、もともと改正議論の中で「債権者が債権発生の原因及び債務者を知った時」という言葉の修正です。

 

「債権者が債権発生の原因及び債務者を知った時」というのは、従来不法行為の3年時効のスタートであった「損害及び加害者を知った時」の一般化ですね。

 

改正の会議の中で

「債権発生の原因や債務者の存在を認識」し、さらに、「違法性の認識を踏まえた権利行使ができることについての具体的な認識まで必要」ということになり、上記の5年ルールになったのです。

 

これをふまえると、具体的な要件としては

・債権発生の原因事実を知ったこと

・債務者を知ったこと

・実際に権利行使できる具体的認識をもったこと

ということになりますね。

 

ただ、実際に権利行使できる具体的認識とは何なんでしょうね。

 

ここは、今後の裁判例の発展を見るほかないでしょう。

 

弁護士 杉浦智彦

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