郵便受けを覗いて得られる債権回収情報とその犯罪該当性
2019年01月30日(水)
この時期の郵便受けには債権回収のための情報が多数入っている
個人事業主のみなさん!(そうでない人もいますが)、確定申告の準備は進んでいますか?
さて、この時期の郵便受けには、債権回収情報が多数入っています。
たとえば、みなさんのところにも、各所から「支払調書」というものが送られてきていると思います。
「支払調書」自体は、義務ではないですが、よく送られることがあります。
これは、「債務者がどのような取引をしているか」を示すものですので、債権回収のために、有用です。
どう有用かといえば、当該取引先に対する債権を差押えすることで、債権回収をすることができる可能性があるのです。
ほかにも、取引先銀行や信用金庫等の情報なども、郵便受けを定期的に覗くだけで確認できるのです。
郵便受けを覗くのは犯罪か
まず、敷地内に入らなければ覗けないような場合は、建造物侵入罪等の犯罪に該当するので、許されません。
敷地内に入らなくても、手紙を持ち去ったら、窃盗罪に該当します。
敷地外から、ただ覗くだけということは、実は刑法上の犯罪には該当しないと言われています。
しかしながら、何度も家の前をウロウロするということは、迷惑行為防止条例違反に該当する可能性はあります。
だから、何度もウロウロして郵便受けを覗くことについては、犯罪が全く成立しないわけではありません。
ただ、私も刑事事件をそれなりに取り扱ってきましたが、郵便受けを覗いただけで警察の捜査対象になったという事案は聞いたことがありません。
弁護士 杉浦智彦