SNSで呼びかけて債務者の情報を集めることは違法?

2019年02月02日(土)

SNSは誰もが利用するツール。債権回収に利用できる

SNSは、誰もが利用出来るツールです。

 

私も、よくFacebookなどを利用し、債務者の勤務先や取引先などを調査します。

さて、Twitterなどで、単に検索するだけではなく、「この★★さんという人、お金を払わないんですが、この人の情報を知りませんか」と呼びかけてしまうことは問題があるのでしょうか。

名誉毀損に該当する可能性

この呼びかけは、お金を支払わないという事実を示して、人の評価を落とすものになるので、法律上は名誉毀損罪にあたります。

 

また、犯罪に該当するだけではなく、その人に対して損害賠償義務も負うので、債権回収に悪影響が生じてしまうことも予想されます。

 

そのため、呼びかけるとしても、このような形で理由を書くのは危険です。

 

どこまでならばセーフなのか

実際のところ、難しいところです。

 

ただ、名誉を傷つけることを書くのは許されないでしょうから、単に「情報を教えてください」とかだと、大丈夫なのかもしれません。

(それで教えてもらえるかについてあ、難しいところでしょうが。)

 

補足:情報を教える側の問題

なお、情報を教える側は、犯罪には該当しませんが、損害賠償義務を負う可能性が(低いながらも)ありますので、触れておきます。

 

まず、「この銀行で見かけたので、たぶんこの銀行に口座があると思います」くらいだと、不法行為にならないでしょう。路上で確認できるものですので、プライバシーとして保護されていないと判断されるでしょう。

 

ただ、口座番号まで伝えたりすることは、アウトになる場合があります。

たとえば、銀行員などの場合、口座番号を教えることは許されませんので、(せいぜい数万円程度ですが)損害賠償義務を負います。それだけではなく、職場から懲戒されるでしょう。

 

また、取引先の場合も、(数千円程度でしょうが)損害賠償義務を負うことも、考えられなくはないです。ただ、実際に他の取引先が口座番号を伝えたからといって、裁判沙汰になったことはないので、基本的には大丈夫だと思ってもらって大丈夫かと思います。

 

弁護士 杉浦智彦

 

 

  |