「強制執行妨害目的財産隠匿罪」を交渉ツールとして使え!
2019年04月10日(水)
債務者にお金がない状況だと、回収できない場合が多いですが、
それでも、財産隠しが強く疑われる事例だと、案外回収が簡単だったりします。
実は、「強制執行妨害目的財産隠匿罪」という犯罪があります。
刑法第96条の2(強制執行妨害目的財産損壊等)
強制執行を妨害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、3年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知って、第3号に規定する譲渡又は権利の設定の相手方となった者も、同様とする。
① 強制執行を受け、若しくは受けるべき財産を隠匿し、損壊し、若しくはその譲渡を仮装し、又は債務の負担を仮装する行為
② 強制執行を受け、又は受けるべき財産について、その現状を改変して、価格を減損し、又は強制執行の費用を増大させる行為
③ 金銭執行を受けるべき財産について、無償その他の不利益な条件で、譲渡をし、又は権利の設定をする行為
実際に裁判をしていなくても、強制執行の対象と疑われるものがあり、それが隠されたり、費用を増大させるような行為(典型例としては、不埒な人の占領など)は、犯罪として、警察に動いてもらえます。
ただ、警察が動いても、こちらの利益にならないので、交渉ツールとして活用し、なんとかお金を回収していくことが、望まれる手段といえるでしょう。
弁護士 杉浦智彦